あの子の話
「...こんにちは、先生」
特別教室棟の最奥。
俗に言う不登校生徒の為の教室。
扉を開けると、先生に話しかける。
机でお弁当を食べながら書類を確認していたらしい先生は、こちらを横目で確認すると挨拶を返してくれる。
「おう、今来たのか」
「...うん」
「あー...今から昼休みだから、御風達来るかもよ」
書類とお弁当を片づけながら先生から告げた名前に、恐怖を感じる。
「...隣、行くから。入らせないで」
「はいはい。...それにしても、お前、敬語は?お前は俺に対する敬意という物を忘れてないか?」
「...え、元々持ってなかったんで」
プリント追加してやろうか?と脅してくる先生はスルーして、教室内にある扉から隣の部屋に入る。
鍵を閉めようか、と思ったけど...やめた。
先生の事は信頼できる。