あの子の話


「...こんにちは、先生」


特別教室棟の最奥。

俗に言う不登校生徒の為の教室。


扉を開けると、先生に話しかける。


机でお弁当を食べながら書類を確認していたらしい先生は、こちらを横目で確認すると挨拶を返してくれる。


「おう、今来たのか」


「...うん」


「あー...今から昼休みだから、御風達来るかもよ」


書類とお弁当を片づけながら先生から告げた名前に、恐怖を感じる。


「...隣、行くから。入らせないで」


「はいはい。...それにしても、お前、敬語は?お前は俺に対する敬意という物を忘れてないか?」


「...え、元々持ってなかったんで」


プリント追加してやろうか?と脅してくる先生はスルーして、教室内にある扉から隣の部屋に入る。

鍵を閉めようか、と思ったけど...やめた。


先生の事は信頼できる。
< 4 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop