勝手に好きでいさせて

しばらくして、恋歌は泣き止んだ。

「大丈夫か?」

「うん、ごめんね。ありがとう」

「これ、飲めば」

「うん」

これからどうすればいいんだ?

「あっ、冷やすものとかないか?」

「冷蔵庫の2段目に保冷剤がはいってるよ。でも、なんで?」

「お前、その泣きはらした目をひやさないとだろ」

「あぁ、うんありがとう」

恋歌はそういって笑った。

「おう」

ーバタンッ

あの顔は反則だって・・・。

つうか、麻優たちさすがに遅すぎだな。

~♪~♪・・・

ーFrom 麻優

なんで、メールよこすんだ?


“もうそろそろ帰っていい?”

あいつやっぱりわざとだったんだな。

“別になにもないし帰ってくれば?”

バカか、あいつらは・・・。

あっ、帰って来るなら恋歌の目、早く冷やさないとな。

冷蔵庫の2段目って言ってたよな・・・あぁ、あった。

「恋歌、保冷剤もって・・・きた」

「あぁ、ありがとう」

恋歌、なんか顔が真っ赤になってる。

さっきのことで赤くなってるのか?

もし、そうだったら俺まで恥ずかしくて赤くなりそう。

「「あのさ」」

「さきに言っていいよ」

「いや、俺はたいしたことないし、恋歌どうぞ・・・」

「・・・」

なんなんだよ。

なんかやべぇ、麻優たち早く帰ってこねぇかな・・・。



この後、俺と恋歌は麻優たちが帰ってくるまでお互い何も話さなかった。

話さなかったというよりも何も話せなかった。



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