勝手に好きでいさせて
「恋歌、ごめん。ちょっと、おく・・・・・れた。・・・恋歌、どうした!?」
「あっ、麻優・・・なんでもないよ」
私は目をゴシゴシと拭いた。
麻優は、下を向いて、なんか気づいたみたいだった。
ーギュッ
「恋歌、伊久斗なんかやめて、俺にしろよ・・・」
「えっ・・・」
「恋歌ことが・・・好きだ////」
「ま・・ひろ」
しばらく私は泣いてしまった。
麻優はその間ずっと私を抱きしめてくれていた。
「恋歌、落ち着いた?」
「うん、ありがとう」
「それでさ、さっきの答え聞いてもいい?」
さっきの答えてやっぱり、告白の答えってことだよね・・・?
「いやじゃなければ俺と付き合ってほしい」
麻優、本気だ・・・。
「俺は、伊久斗みたいにお前のこと泣かせたりしないよ」
そっか、麻優と付き合っちゃえば、伊久斗のことを忘れられるよね。
伊久斗に恋をしてても辛いだけだよね。
「恋歌、最初は軽い気持ちでいいから。俺がお前に好きになってもらえるように頑張るから・・・」
「麻優・・・」
「一緒に帰ろう?」
麻優はそう言って手を差し出した。
「うん」
私もそう言って麻優の手をとった。