勝手に好きでいさせて
「伊久斗、大丈夫?」
寒くないかな?横になってた方が楽だよね?
そう思って、私の体操着が入っているバックを枕代わりにして、伊久斗を横に寝かせた。
そして、自分が着ていたブレザーを伊久斗にかけてあげる。
「恋歌、わりぃ・・・」
「全然大丈夫だよ」
「賢斗さん、もうすぐ来ると思うから」
「ありがとうな」
「うん」
そして、伊久斗はよっぽど苦しいのか目を閉じた。
あっ、また遅くなっちゃってるし、星太にぃにメールとておかないと。
星太にぃにメールをし終えた頃に賢斗さんが来た。
「ごめんね、恋歌ちゃん」
「いえ、大丈夫ですよ」
「伊久斗、行くぞ~」
そう言って、賢斗さんは伊久斗を起こした。
「恋歌ちゃん、迷惑かけてごめんね。おわびに家まで送って行くよ」
「あぁ、いいえ。私の家そんなに遠くないんで歩いて帰ります」
「いや、もう外暗くて、女の子1人では帰せないよ」
「いや、でも伊久斗のこと早く病院に連れて行った方がいいと思いますし」
「あぁ、伊久斗なら大丈夫だよ。男はそこまでかよわくないよ。いいから乗って」
「えぇ、じゃあ、すみません。お言葉に甘えてもらいます」
「うん、じゃあ、ごめん。悪いんだけど、伊久斗の鞄持ってもらっていい?」
賢斗さんを見ると、伊久斗に肩をかしていて両手がふさがっていた。
「あぁ、はい」