勝手に好きでいさせて
「バイバイ、恋歌」
「バイバイ」
悠羽と別れて、1人で歩いて帰る。
あぁ、この道をいつか伊久斗と歩くことができたらいいな。
まぁ、そんなことありえないか。
ヴヴヴー・・・
伊久斗からメールだ。
“彼女できた!やったぜー!!”
知ってるよ、そんなの・・・。
そんな報告いらないよ。
辛くなるじゃん。あきらめなくちゃいけなくなるじゃん。
“良かったね!!困ったことがあったら何でも協力するよ。”
伊久斗から彼女の話を聞くのは辛いな~。
だけど、伊久斗と話せなくなるよりましかな。
“おう、困ったら頼らせてもらうぜ。お前も恋の悩みとかあったら俺に相談しろよ。”
恋の悩みか~・・・。
そんなの伊久斗にできるわけないじゃん。
できたらとっくの昔にやってるっつーの。
「ただいま~」
「おかえり~」
私は、お父さんと翔太(しょうた)にぃと星太(せいた)にぃの4にん暮らしをしている。
お母さんは私が5歳の時に病気で亡くなった。
それからはお父さんが私たちの為に頑張って育ててくれた。
だから私はちょっとでも楽させてあげたくて、家事は私がするようになった。