勝手に好きでいさせて
【side恋歌】
はぁ~、眠い・・・。
昨日は結局、伊久斗の具合がどうか気になって眠れなかったんだよね。
自分の教室へ行くと、伊久斗はやっぱり来ていなかった。
今日はさすがに休みだよね。
昨日、触った時、結構熱かったからな~。
「恋歌、おはよう」
「麻優・・・」
「おはよう」
「あぁ、おはよう」
麻優、昨日のこと何も気にしてないのかな?
ていうか、私たちは別れたってことでいいんだよね?
「今までのことは全部なしってことでいいからな」
「あぁ、うん」
「なんだよ、よそよそしい。今までどおりに普通に友達として接してくれよ」
「うん、ごめんね」
麻優とは今までと同じように戻るだけ・・・。
「麻優、私、麻優の気持ち嬉しかったよ」
「はっ?なんのことだよ?」
麻優・・・無理して笑ってる・・・。
無理しなくていいのに・・・。
「麻優、私達、小学3年生の頃から一緒にいるんだよ。嘘ついてる時の顔とかしぐさとか知ってるに決まってるじゃん」
そう、麻優は小学3年生の頃に私がいた小学校に転校してきた。
それから、ずっと一緒にいる。
「麻優、人に泣いてるところはいつも見せないようにするでしょ」
あの時、麻優は泣いてるところ見せないようにしたんだと私は思っていた。
だから、私はあえて振り返らなかった。
「あれ、私の自意識過剰だったかな?違ったんならごめんね」
「違くないよ。あれは嘘で、俺は本気でお前のこと好きだよ」
やっぱりそうなんだ・・・。
「お前、そういうことわかったとしても普通言わねぇよ。せっかく男がかっこつけて忘れようとしてんだから・・・」
「ごめん、でも、ありがとう」
「いや、もういいよ。今までと同じように仲のいい友達でいような」
「うん」
麻優、私たちはこれから何があっても今の関係は崩れないよね、きっと。
悲しいかもしれないけど、私たちはこれからも友達以上で、恋人未満なんだ・・・。