勝手に好きでいさせて
キーンコーンカーンコーン・・・
「あれ、伊久斗おっせぇな・・・」
「あぁ、たぶん伊久斗なら今日は休むと思うよ」
「えっ、なんで!?」
「昨日、2人でだき・・・じゃなくて、話してたらいきなり伊久斗倒れちゃって・・・。結構の熱あったよ」
「マジかよ・・・昨日、電話してた時は普通だと思ったんだけどな・・・あぁ、学校行けばわかるってこういうことか」
麻優は1人でブツブツ言っている。
私には何のことだからよくわからないけど・・・。
でも電話したってことは仲直りしたってことだよね、よかった。
正直、そこも心配してたんだよね。
この2人、今まであんな風にケンカみたいになったことなかったからね。
これからまた4人で楽しい毎日が始まるんだよね・・・。
【side麻優】
やっぱり恋歌には何も隠せないんだな、俺って・・・。
恋歌にはかなわないな。
そんなことがとても好きだった。
小さなことでも俺の変化に気づいてくれる、恋歌が・・・。
あぁ、伊久斗にメールしてみよう~。
“伊久斗、お前なんで昨日倒れたって言わなかったんだよ!”
まぁ、たぶん伊久斗のことだから『かっこ悪いだろ』とか言いそうだな。
~♪~♪・・・
ーFrom 伊久斗
“かっこ悪いだろ”
ブフッ・・・
「麻優?どうしたの、いきなり1人でふいて」
あっ、ヤベ。今、授業中だったんだ。
「いや、なんでもない・・・」
「あぁ、そう?」
なんで、あいつは俺の思った通りに返すんだろう。
ヤベェ、すげえ笑えてくる。
“俺の気持ち、恋歌にバレバレだった。嘘ついた意味なかったわ。俺は、もういいから、お前らちゃんとうまくやれよ”
俺の恋は、終わった・・・。
次はお前らの番だぞ、伊久斗、恋歌・・・。
“言われなくてもやってやるよ”
また、あいつらしい返信だな…。
伊久斗なら恋歌の過去も受け止められる。
恋歌の未来を幸せできる。
ーパタンッ