勝手に好きでいさせて
昼になって携帯を確認すると伊久斗からメールがきていた。
“昨日は迷惑かけて悪かったな。早くなおすよ。心配してくれてありがとな”
『ありがとな』って・・・///
「恋歌、何顔赤くしてんの?」
「えぇ、何もないよ!」
「あぁ~伊久斗からメールでもきたんだ~」
悠は楽しそうにそう言う。
「で、なんて返信がきたの~?」
「悠には教えないよ~っだ」
「まぁ、どうでもいいんだけどさ・・・てか、恋歌あんまし実夜琵くんと関わんない方がいいよ」
「・・・?」
うん?
実夜琵くんって誰?
「恋歌、もしかして・・・実夜琵くんのこと知らない?」
「うん。実夜琵くんって誰なの?」
「いや、誰ってあんたが今日、移動教室の時にぶつかった人だよ」
「あぁ~あの人が実夜琵くんって言うんだ」
正直、私にはどうでもいいな~。
別に私には関係ないだろうし。
「恋歌、実夜琵くんに全然興味ないんだね」
「うん、ないけど・・・なんで?」
「あの顔を見てあんた何にも思わなかったの!?」
顔?
どんな顔だったっけ?
急いでたからあんまりよく見なかったんだよね・・・。
「桜衣 実夜琵(さくらい みやび)は1年生の私たちの後輩。格好良くって性格もいいからとってもモテるの」
「へぇ~、そうなんだ」
「恋歌、興味なさすぎでしょ。とにかくあの子はヤバいみたいだから関わらないようにね」
だって本当にどうでもいいんだもん。
って言うと、悠にどんだけ伊久斗のことが好きなのって冷やかされるから言わないでおく・・・。
まさかこの後に実夜琵くんと関わることになるとは思ってもいなかった。