勝手に好きでいさせて
【side恋歌】
伊久斗、大丈夫なのかな…。
やっぱり心配。
メールしてみようかな?
でも、寝てたりしたら迷惑だよね。
メール入れておくだけならいいよね。
文をうち終わったけど・・・。
どうしようかな?
メールの送信ボタンを押そうかどうしようかまよっいた。
「えい!!」
あれ、目の前にあったはずの私の携帯がない……!?
「ちょっと悠!!」
「早くなおしてねっか…送信っと♪」
悠は私に携帯を返してきた。
“送信しました”とでている状態で…。
「ちょっと悠何してくれんの!?」
「何って・・・あんたがもたもたしてるから私が送ってあげただけだよ」
「悠がやってくれなくてもちゃんと自分で送ったよ!!」
「じゃあ、別に私が送っても恋歌が送ってもどっちでもいいじゃん」
まぁ、いっか。
「恋歌、それより移動教室だよ。もうすぐチャイムなっちゃうから早く!!」
あぁ、教室にもうほとんど人がいないと思ったら、次って移動教室だったんだ!!
「あっ、ごめん」
私は机の中から教科書などをとって悠と走って、教室に向かった。
ードンッ
「いたぁ~」
廊下の角を曲がった瞬間に人とぶつかった。
「恋歌、大丈夫?」
「うん、大丈夫。あぁ、すみませんでした」
「早く行こう!」
「うん」
謝るだけあやまって、私はすぐに教室に向かった。
あの人誰だっけ?
たしか、後輩で有名な人だったような・・・?
まぁ、でもどうでもいいや。
私はそう思っていた。
「相崎 恋歌先輩・・・」
彼が私のことを知っていて、そんなことを言っていたとも知らずに・・・。