勝手に好きでいさせて
「恋歌ごめん。今日はちょっと用事があって一緒に帰れない・・・」
「えぇ、悠何があるの?」
「うぅ・・・ごめん、今は言えないんだ」
「あぁ、そうなんだ・・・いいよ、じゃあ、また明日」
「うん、じゃあね~」
悠が一緒に帰れないなんてめずらしい・・・。
今日は何があるんだろう?
まぁ、でも私も麻優と一緒に帰ってる日があったからしょうがないよね。
「相崎 恋歌・・・」
「えっ?」
下駄箱で自分の靴を入れ替えている時に誰かが私の名前を呼んだ。
「やっぱり、恋歌先輩だ」
「えぇ~っと・・・」
「桜衣 実夜琵です。今日、ぶつかった・・・」
あっ、この人が実夜琵くん!?
「ごめんなさい、あの時急いでて、あんまり顔見てなかったから」
「俺は、入学した時から知ってましたよ、恋歌先輩のこと」
えっ、私は全然覚えがない・・・。
私何かしたっけ?
「恋歌先輩は俺のこと知らないみたいですね」
「ごめんなさい」
「いえ、全然いいですよ。今日は1人ですか?」
「うん、友達が用事があるみたいで」
「じゃあ、一緒に帰りましょう?送って行きますんで」
えっ?
なんで一緒に帰るんだろう?
てか、もう実夜琵くんもう歩いて行ってるし・・・。
でも、悠にはあんまり関わるなって言われてるけど。
まぁ、別に1日くらいいいよね。
1人で帰るのも寂しいし。
そんなに悪い人にも見えないし。
私はそう思って実夜琵くんと一緒に帰った。