勝手に好きでいさせて

「じゃあ先輩、また明日」

「うん」

実夜琵くんの背中が見えなくなってから家に入った。



はぁ~、疲れた~。

家事を終わらせて自分の部屋に行く。

部屋に入ってベットに寝転がる。

実夜琵くんに告白された・・・。

『俺と、付き合ってください』

『実夜琵くん、私・・・『何も言わないで!!』

『えっ?』

私が言おうとしたら実夜琵くんにさえぎられた。

『今日はまだ何も言わないでください。明日返事を聞かせてください・・・じゃあ先輩、また明日』

『うん』

告白されても私は伊久斗のことが好き・・・。

だから私の返事はもちろん決まっている。



ー翌日

「恋歌先輩」

「実夜琵くん・・・」

昼休みになると実夜琵くんが私の教室に来た。

「先輩、ちょっといい・・・?」

「うん」

私は実夜琵くんの後をついて行った。

告白の返事を聞くために実夜琵くんは私のことを呼んだんだよね?

実夜琵くんの後をついてきたら、体育館の裏まで来ていた。

体育館の裏は人がぜんぜん通らない場所。

どうしてここまで来る必要があるんだろう?

あぁ、そっか。

告白の返事聞こうとしてるんだもんね。

人がいないところの方がいいよね。

「・・・」

「・・・」

あぁ、この沈黙嫌だ・・・。

こういう時ってどうやって話を切り出せばいいんだろう?

「ねぇ、恋歌先輩・・・俺のことフルつもりでしょ?」

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