勝手に好きでいさせて

「えっ?」

「恋歌先輩って伊久斗先輩のことが好きなんですよね」

なんで、実夜琵くんが知ってるんだろう?

でも、

「分かってるならなんで「私に告白したの?・・でしょ?」」

私が言おうとしたら実夜琵くんが私の心を見透かしたように言った。

「それはね、恋歌先輩が伊久斗先輩のことを好きでも、絶対俺と付き合うってわかってるから」

「えっ・・・どういう、こと?」

「俺さ、知ってるんだよ・・・恋歌先輩の、過去・・・」

「っ!?」

手や足がガクガクと震える。

なんで、実夜琵くんが私の過去のことを・・・?

「なんで、知ってるの?みたいな顔してるね」

実夜琵くんはそう言ってクスッと笑う。

「それはね、俺も“あれ”に関わってたから・・・」

「っ!?」

嘘・・・。

あのことは実夜琵くんが仕組んだことだったの?

思い出すだけで、体がガタガタと震える。

「手、すごく震えてるよ」

実夜琵くんはクスクス笑いながら私の手をさわる。

嫌だ・・・。

今までいい人だと思ってた実夜琵くんが・・怖い。

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