勝手に好きでいさせて
「で、何かあったの?」
「何もないよ」
「でも、恋歌が授業出ないなんておかしいよ」
「本当になんでもないから」
「それならいいんだけど・・・まぁ、今日は帰ろう♪」
「いや、それはちょっと・・・」
悠と麻優は付き合ってるし、私がいたら邪魔になっちゃうよね。
まわりから見ても私K.Yだし。
「気にすんなよ。俺ら友達だろ」
「いや、そうだけど・・・」
「恋歌先輩」
「実夜琵くん・・・」
自分でも顔が明らかにこわばってることがわかる。
「恋歌先輩は俺と一緒に帰りましょう?」
「・・・」
「帰りますよね?」
実夜琵くんの目を見ると、うんと言えといった目をしていた。
「うん・・・」
「ちょっと、恋歌どうしうこと?」
「俺と恋歌先輩、付き合うことにしたんっすよ」
私のかわりに実夜琵くんが言った。
「どういうこと「恋歌先輩、行きましょう」」
麻優の言葉をさえぎって、実夜琵くんは私の手をとって歩き出した。
後ろから悠と麻優が何か言っていたけど私たちは無視して歩き続けた。
2人ともごめんね・・・。
本当にごめんなさい。
1つぶの雫が私の頬を伝った。
1番あやまりたいのは・・・。
伊久斗、ごめんね・・・。