勝手に好きでいさせて
【side伊久斗】
「送ってくれて、ありがとう」
「おう、また明日な」
「うん、バイバイ」
昨日告られて、付き合い始めた梓沙(あずさ)のことを家まで送った。
梓沙は高校に入ってから3人目の彼女だ。
そうだ、恋歌に報告しよう。
“彼女できた!やったぜー!!”
俺は別に恋歌のことを好きなわけではない。
ただ、普通の女友達として、他の女子より仲が良いだけだ。
“良かったね!!また困ったことがあったら何でも協力するよ”
俺、彼女できたらいつも恋歌に頼ってばかりだよな~。
元カノの誕生日プレゼント選ぶの手伝ってもらったし、うまくいってない時も相談に乗ってもらってたし。
“おう、困ったら頼らせてもらうぜ。お前も恋の悩みとかあったら俺に相談しろよ”
そういえば、あいつって好きなヤツとかいねぇのかな?
あんなにかわいい顔してれば、何度も告白されてんじゃねぇのかな?
明日、あいつに色々聞いてみよ~。
~♪~♪・・・
また、恋歌からのメールか?
ーFrom 麻優ー
なんだ、麻優か。
“今週の土曜日、お前暇だろ?
恋歌と遊ぶ約束したから恋歌の家に行こうぜ?”