勝手に好きでいさせて

【side伊久斗】

「送ってくれて、ありがとう」

「おう、また明日な」

「うん、バイバイ」

昨日告られて、付き合い始めた梓沙(あずさ)のことを家まで送った。

梓沙は高校に入ってから3人目の彼女だ。

そうだ、恋歌に報告しよう。

“彼女できた!やったぜー!!”

俺は別に恋歌のことを好きなわけではない。

ただ、普通の女友達として、他の女子より仲が良いだけだ。

“良かったね!!また困ったことがあったら何でも協力するよ”

俺、彼女できたらいつも恋歌に頼ってばかりだよな~。

元カノの誕生日プレゼント選ぶの手伝ってもらったし、うまくいってない時も相談に乗ってもらってたし。

“おう、困ったら頼らせてもらうぜ。お前も恋の悩みとかあったら俺に相談しろよ”

そういえば、あいつって好きなヤツとかいねぇのかな?

あんなにかわいい顔してれば、何度も告白されてんじゃねぇのかな?

明日、あいつに色々聞いてみよ~。

~♪~♪・・・

また、恋歌からのメールか?

ーFrom 麻優ー

なんだ、麻優か。

“今週の土曜日、お前暇だろ?
 恋歌と遊ぶ約束したから恋歌の家に行こうぜ?”

< 7 / 64 >

この作品をシェア

pagetop