勝手に好きでいさせて
土曜日は別に何もないしいいか。
“勝手に暇とか決めつけてんじゃねぇよ。
まぁ、暇だからいいぜ。”
土曜日、楽しみになったな。
あ、でも俺、彼女いるのに他の女の家に行っていいのかな?
でも、恋歌はただの友達だしいっか。
なんか俺、ワクワクしてきた。
「ただいま~」
「伊久斗、遅かったじゃん」
「兄貴は今日は早いんだな」
「また、新しい彼女でもできて、送ってきたんか?」
「うるせぇ」
兄貴は俺の3つ上。
俺らは昔から、近所ではそっくりのイケメン兄弟って言われてた。
「もしかして、次は恋歌ちゃんか?」
「ちげぇよ、俺は別にあいつのこと恋愛感情として見てないから」
「なんでだよ、恋歌ちゃんかわいいじゃんかよ。てか、なんでお前は恋歌ちゃんに対して恋愛感情がないんだ?」
「それは・・・・・なんで・・だろう?」
「お前さ、今付き合ってる女のこと本気で好きなの?」
本気で好き?
俺は、梓沙のこと本気で好きなのか?
元カノたちのこと本気で好きだったけ?
俺は、いつも告白されたら何も考えずにOKしてただけ。
元カノたちも梓沙のことも俺は本気で好きじゃない?
恋がわからない…。