勝手に好きでいさせて
「おっはよー♪」
「おぉ、麻優はよ」
「どうしたんだよ、朝から暗いぞ?」
「あぁ、いや別に何でもない…」
「何でもない感じではないけど、まぁいいや♪明日、寝坊とかすんなよ!!」
「おう!…なのさ…」
「ん?なんだ?」
「あぁ、やっぱりいいや」
なんか、麻優に話すのはいやだな。
3人目にして“好き”がわからないなんて麻優には言えねぇ…。
あっ、そうだ恋歌に相談してみよう。
いや、でもこの話は恋歌も関わっていて話にくいな。
あぁ~、もうどうすればいいんだ!!
俺は机にひじを頭をかかえた。
キーンコーンカーンコーン…
「伊久斗くん、一緒にお昼食べない?」
「梓沙…、あぁ、いいよ。屋上に行こう」
ということで、梓沙と屋上でお昼を食べてるんだけど…。
正直、楽しくない。
なぜなんだろう?
休み時間ってこんなに長くて、こんなに静かだったけ?
今までお昼は麻優と悠、それと恋歌といつもバカみたいに笑いあって食べていたな~。
そんな時、あいつの明るい笑顔がパッと頭の中に浮かんだ。
俺、あいつのことが好きなんだ…。