True Azure
「―――それでは、合格者を発表します。」
お願い!!
アイドルになりたいっ!
あたしの残りの人生は、たくさんの人の笑顔であふれていてほしい!!
「エントリーNo.29!」
「ふ、楓花!聞き間違えじゃ…ないよね?」
「うんっうん!遊愛ぁ~」
「よかったっ…よかった!」
「遊愛!アイドルにっなれたわね!」
周りにめっちゃ見られているのも気にせず、あたしたちは泣きながら抱き合った。
ずっと、ずっとこの瞬間を待っていた。
死ぬ前に…本当にアイドルになれたんだ!
あたし、余命宣告されなかったら…
アイドルになりたいって夢を実現することもなかったし、蒼空も出会うこともきっとなかった!
だから、余命宣告されてよかったとも思ってるよ。
後悔しないで死ねる人なんてきっといない。
それでも、あたしはそんな人間になりたいって思うんだ!
少しでも長く生きたいって思って静かに暮らすより、自分に残された時間を受け入れて出来るだけ後悔しないように生きた方が…ずっといい。