それでもここが僕等の居場所
ここが僕等の居場所

港で

走った。

走った。

ひたすら走った。

思い出した、この感覚。

僕、なんで陸上やめたんだろう?

あぁ。

そうだ。

高校に入って実力の差がついたからだ。

そんなおちこぼれの僕を

見捨てずに

一緒にいてくれたのは誰だっけ?

そうだ。

美緒だ。

身体か弱くて走れない美緒。

美緒だけが

僕のことを見ていてくれた。

……なんで?

なんでなんだ、美緒?

僕に卒業式のあとに

この島を発つことを

どうして教えてくれなかったんだ?
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