それでもここが僕等の居場所
すぐに見つけた。

僕のリストバンドをつけている。

僕は呼んだ。

「美緒!!」

「颯太……?」

その声。

その短い髪。

僕は美緒を抱きしめた。

「いくなよ……」

美緒は僕の頭をなでながら言った。

「ダメよ。私、病気が治ったらきっと帰ってくるから。絶対だよ?約束するから……」

美緒は僕からゆっくりと離れた。

そして太陽みたいに

明るく微笑んで言った。

「だから……私のこと、待っててよね?」

その笑顔に僕は救われた。

とっても優しい微笑み。

でも今は唇が震えている。

美緒は頷いて船に乗り込んだ。

船がでてから何時間たっても。

僕は美緒とわかれた場所から

離れなかった。
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