紅蓮の鬼外伝


彼女の鋭い爪が肩の肉を裂く。


ブシュウッッと血が噴き上がった。


「っはッッ」


最早痛みをあまり感じなくなった。


生暖かい液体が腕を伝っていく。


俺は彼女の腕を掴んで、さっきやられたように思いきり腕の付け根を裂く。


返り血が顔についた。


腕がもげ、付け根から血がボタボタと落ちていく。


それでも彼女はまるでちっとも痛みを感じることなく、ただ目の前にいる俺という敵を殺すことだけに作られたもののように、俺の頭を潰そうと手を伸ばす。


「ウッ」


間髪でそれをかわし、距離をとる。


「いっ!!?」


痛みを感じなくなったと思ってたら、そうでもなかった。


ガッツリ痛い。


ものすんごい痛い。



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