紅蓮の鬼外伝
「で?アタシらをここに連れてきた理由は?」
さっきまで煩かったイヴァルも静かになって、彼の言葉を待つ。
きっとイヴァルもアタシと同じことを思っているわ。
「戦力になるかなって思って」
彼はまるで、「他になんの理由があるの?」とでも言いたげな顔をしてアタシを見る。
そんな馬鹿みたいな答えにアタシたちは吹き出すのをなんとか堪えて、口角を上げた。
「アタシの命、アンタに預けるわ」
隣にいるイヴァルが「同感」と言い、頷く。
それを見た彼は、狼狽しながら返事を返した。
そんなお水を見て、アタシとイヴァルは顔を見合す。
――やっと自分より上の奴に認めてもらえた気がしたのよ
多分、イヴァルも同じだと思うの。
だからアタシの命、アンタの好きなように使っちゃいなさいよ。
≪おしまい≫