紅蓮の鬼外伝
その日。
俺はなんとなく人間の世界に来ていた。
当てもなく歩いていると、一羽の鴉が俺の手に停まり、とある報告をする。
「……なんか変…?」
俺は鴉の報告がよく分からず、その場所に行く。
そして屋根に登って、上から観察をする。
そこにいたのは、俺の知り合いの千秋だった。
「…アイツこんなとこで何してんだ……?」
率直にそう思った。
彼らは人間と関わると何かと争うことが多いので、なるべく関わらないようにしている筈なのに。
「アイツ何やってんだ?」
もう一度、呟く。
鴉はどこかに飛んで行った。