紅蓮の鬼外伝
-----じゅっ
「あっ」
不意に、りんの手にあった火が音を立てて消えた。
彼女は急に、何故か俺を見る。
「………………」
ええと、うわ消えちゃった…どうしよう!!?と、りんの顔に書いてあった。
どうしよう!!?っていわれても、俺はどうすることも出来ないので複雑な思いを浮かべたまま、りんを見つめ返す。
「どうしたよ、りん。まだ一刻も経ってねぇぞ」
ユキ兄には俺のように納得した様子は見られず、寧ろ長の娘なんだから出来て当然だろうと、言っているようだ。
「空木」
ふと、ユキ兄が俺の名前を呼んだ。
「終わったらさっさと帰れよ」
俺はその言葉に頷き、彼は山奥に行ってしまった。
りんの方を見ると、彼女は真面目に取り組んでいて、真剣な顔をしていた。