紅蓮の鬼外伝
「帰ろう?」
俺は淋の頭を撫でながら言う。
そろそろ日も暮れるし。
淋はコクリと頷くと、俺に手を出した。
「……………」
俺は差し出された手を見て固まる。
何だろう、この手。
「…帰るんでしょう?」
なんて、俺が思ってた事が分かるのか、淋は恥ずかしそうに、昔みたいに手…繋ごうと言った。
その言葉に俺はふわりと笑って、彼女の手を握った。
昔は大して変わらなかったのに、俺の手は淋とは比べものにならないくらい大きかった。