紅蓮の鬼外伝


「帰ろう?」


俺は淋の頭を撫でながら言う。


そろそろ日も暮れるし。


淋はコクリと頷くと、俺に手を出した。


「……………」


俺は差し出された手を見て固まる。


何だろう、この手。


「…帰るんでしょう?」


なんて、俺が思ってた事が分かるのか、淋は恥ずかしそうに、昔みたいに手…繋ごうと言った。


その言葉に俺はふわりと笑って、彼女の手を握った。


昔は大して変わらなかったのに、俺の手は淋とは比べものにならないくらい大きかった。
< 81 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop