tell a lie





「りおー!!!」





そう声を掛けてきてくれたのは高1でもクラスが一緒だったるりか。
高校入学者のあたしは今日のクラス替えが不安で不安で胃がキリキリしてきた。
そしてその不安は的中して、





「るりかー、イツメン皆と離れちゃったよー」





るりかは家が近いというわけで仲良くなったがこの頃はイツメンという存在ではなくただたまに話をするくらいだった。
幸い元同じクラスのメンバーが沢山いて助かったがその他は高校入学生の子以外は知らない子ばかり。
内部進学の子はもうだいたいのグループ分けが出来てるし、問題児と有名な子もいる。
あたしはこのクラスで1年間やっていく自信が全くない。
というか、誰と一緒にいればいいのか、誰と一緒にいていいのか全然わからなかった。





ガラッ。
「えーーー」
教室に響く声。
結構しっかりとした足音。
目を教卓に向けるとそこにはナルシストであまり良い噂は聞かない紫吹先生が立っていた。





「はぁ…」
思わずため息も漏れる。
一番前の席なのにとても落胆してしまった。
申し訳ないかな。と少しは自分に反省したけれども相手は紫吹先生。
いや、悪いか…





長身な割りに足は短足。
目が飛び出るほど大きくて関西弁。
あまり見た目からは悪い印象を受けないが本当に自分が大好き人間で自分の都合の良いことにしか関わらない。
クラスのことは何もしない。と有名な先生。





始業式まで時間があるために自由時間になった。
配布された手紙やらなんやらを鞄にしまい、後ろを向いてみた。





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