モカブラウンの鍵【完結】
「なにするんだよ」
「くだらないことばかり言うからよ。とにかく、ナオちゃんのこと頑張りなさい。私は大賛成だから。ナオちゃんより3つ下だけど、あんたは年の割にしっかりしているから問題ないわよ。年で引け目感じるんじゃないわよ」
「おう。佐伯さんには和室使ってもらうから。布団は出しておくから、カバーは姉ちゃんがかけておいて」
「わかった」
姉ちゃんが俺の好きになった人を褒めたのは初めてだった。
たまたま、デートを目撃されたり、道で鉢合わせしたり、それで彼女を見られたとき、必ず言われることがあった。
「涼太さ、顔じゃなくて中身で選びなよ。あの子は微妙だわ」
歴代の彼女を振り返ると、顔はいい子が多かった。
別に面食いのつもりではないけれど、告白してくる子がそういうタイプばかりだった。
今まで付き合った彼女を好きなった理由は、だいたい顔がいいやスタイルがいいだったかもしれない。
そっか、佐伯さんがある意味、俺の初恋かもしれない。
内面に初めて恋をしたんだ。
だから佐伯さんへの想いは、やけに甘酸っぱいのかも。
「姉ちゃん、俺、気長に頑張る」
「いいんじゃない。ナオちゃんは激しい恋愛より包まれる恋愛を求めてる感じよ」
「くだらないことばかり言うからよ。とにかく、ナオちゃんのこと頑張りなさい。私は大賛成だから。ナオちゃんより3つ下だけど、あんたは年の割にしっかりしているから問題ないわよ。年で引け目感じるんじゃないわよ」
「おう。佐伯さんには和室使ってもらうから。布団は出しておくから、カバーは姉ちゃんがかけておいて」
「わかった」
姉ちゃんが俺の好きになった人を褒めたのは初めてだった。
たまたま、デートを目撃されたり、道で鉢合わせしたり、それで彼女を見られたとき、必ず言われることがあった。
「涼太さ、顔じゃなくて中身で選びなよ。あの子は微妙だわ」
歴代の彼女を振り返ると、顔はいい子が多かった。
別に面食いのつもりではないけれど、告白してくる子がそういうタイプばかりだった。
今まで付き合った彼女を好きなった理由は、だいたい顔がいいやスタイルがいいだったかもしれない。
そっか、佐伯さんがある意味、俺の初恋かもしれない。
内面に初めて恋をしたんだ。
だから佐伯さんへの想いは、やけに甘酸っぱいのかも。
「姉ちゃん、俺、気長に頑張る」
「いいんじゃない。ナオちゃんは激しい恋愛より包まれる恋愛を求めてる感じよ」