モカブラウンの鍵【完結】
「どうぞ。熱いんで気をつけてください」
「ありがとう」
佐伯さんはマグカップを受け取ると、ミルクと砂糖を入れゆっくりかき混ぜる。
手を温めるようにカップを包み込む。
「温かい」
「眠れませんか?」
「うん。元カレのこと考えちゃって。なんであんなに好きだったんだろうって」
まだ、あの男のことが好きなのだろうか。
佐伯さんの涙の理由は、あの男……。
「なんだかいろいろ考えちゃうのよね」
「あの、俺、聞きます。なんでも聞きます」
「杉山」
「誰かに話すことで整理できることもあるし、答えが出る場合もありますから」
マグカップを置いた佐伯さんが俺の顔をじっと見る。
「誰かの相談に乗るって、その人の悩みや持っているものを一部背負うことになるのよ。それにマイナスの感情をもらってしまう。私、よく人の相談に乗るからわかる。杉山にそういうもの」
「ありがとう」
佐伯さんはマグカップを受け取ると、ミルクと砂糖を入れゆっくりかき混ぜる。
手を温めるようにカップを包み込む。
「温かい」
「眠れませんか?」
「うん。元カレのこと考えちゃって。なんであんなに好きだったんだろうって」
まだ、あの男のことが好きなのだろうか。
佐伯さんの涙の理由は、あの男……。
「なんだかいろいろ考えちゃうのよね」
「あの、俺、聞きます。なんでも聞きます」
「杉山」
「誰かに話すことで整理できることもあるし、答えが出る場合もありますから」
マグカップを置いた佐伯さんが俺の顔をじっと見る。
「誰かの相談に乗るって、その人の悩みや持っているものを一部背負うことになるのよ。それにマイナスの感情をもらってしまう。私、よく人の相談に乗るからわかる。杉山にそういうもの」