モカブラウンの鍵【完結】
「おはよう」

3人分の朝食を作っていると、片手はボサボサの髪の毛の中に突っ込み、もう片方の手は脇腹にあり、両手を忙しなく動かしていうる姉ちゃんがキッチンへ入ってきた。


「涼太、おはよう。溶き卵のみそ汁」


味噌汁が入った鍋の横にある溶き卵を見て、嬉しそうに言った。


「朝から食欲旺盛だな。欠伸して、その頭だと、吠えているライオンの顔だな」

「あら、動物の王様。威厳があっていいじゃない」

「威厳なんてねえよ。その頭と顔、なんとかしろよ」

「うるさいわね。小姑」


鍋からロールキャベツを出して、お皿に盛り付ける。

味噌汁に溶き卵を流し入れ、お玉で軽くかき混ぜた。

トレーに3人分の朝ごはんを乗せ、ダイニングへ運ぶ。

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