モカブラウンの鍵【完結】
「杉山はここで待っていいよ」
「いえ、俺も行きます。俺は佐伯さんたちから離れた席に座りますから。困ったことがあったら、声を掛けてください。行ってください。俺はあとから行きますから」
「うん」
佐伯さんはシートベルトを外して、車を降りた。
佐伯さんがカフェのドアを開けるとカウベルのような低く篭ったベルの音が鳴る。
エンジンを切り、シートベルを外す。鍵を抜き、溜息をついた。
俺が不安になってもしょうがないのにな。
重い体を車から出し、ベルの音を響かせながら中へ入った。
「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」
「はい」
店内を見回すと、窓側の端の席に佐伯さんたちが見えた。
男は俺に背を向けて座っている。
佐伯さんは俺の顔をチラッと見ると、目で大丈夫と訴えてきた。
それに対して俺は微かに眉を動かした。
「いえ、俺も行きます。俺は佐伯さんたちから離れた席に座りますから。困ったことがあったら、声を掛けてください。行ってください。俺はあとから行きますから」
「うん」
佐伯さんはシートベルトを外して、車を降りた。
佐伯さんがカフェのドアを開けるとカウベルのような低く篭ったベルの音が鳴る。
エンジンを切り、シートベルを外す。鍵を抜き、溜息をついた。
俺が不安になってもしょうがないのにな。
重い体を車から出し、ベルの音を響かせながら中へ入った。
「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」
「はい」
店内を見回すと、窓側の端の席に佐伯さんたちが見えた。
男は俺に背を向けて座っている。
佐伯さんは俺の顔をチラッと見ると、目で大丈夫と訴えてきた。
それに対して俺は微かに眉を動かした。