モカブラウンの鍵【完結】
20分くらいでセレモニーが終わり、近くのホテルに場所を移して、立食パーティが始まった。

さすが、有名ホテルの立食パーティ。

料理が豪華だ。

オードブル、ローストビーフ、パスタ、サラダ、フルール、ケーキ、アルコール。

どれも目で楽しみ、口でも楽しむ料理ばかりだった。

でも豪華な料理を食べても、佐伯さんの手作りの方が美味しいと思う。


「佐伯さん、せっかくですからシャンパンでも飲みませんか?」

「そうね。少し飲もうか」

「持ってきますね」


アルコールのコーナーへ行き、シャンパンを2つ手に取る。

佐伯さんの所へ戻ると、長身の男と話していた。

どう見てもナンパされている。

佐伯さん、あからさまに嫌そうなオーラを出しているのに、男は全くひるむ様子はない。


「奈央美」

「あ、す、涼太。ありがとう」

佐伯さんにシャンパンを渡し、男に会釈――できればしたくないが、大人のマナーとして――をして、場所を移動した。

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