モカブラウンの鍵【完結】
「姉ちゃん、なんでここにいるわけ?」
1週間働いて、2日間の休日を家でのんびり過ごそうと思っていた。
鍵を開けると、片足だけ倒れたハイヒールが目についた。
こんな靴の脱ぎ方をする女は1人しかいない。
黒いハイヒールを並べて、中に上がる。
リビングにはテレビを点け、ソファの上でくつろいでいる姉がいた。
その隣りにはボストンバッグが客の様に座っている。
膝の上に雑誌を広げてパラパラとめくる姿を見て、テレビを消した。
「テレビ見てないなら点けるな。電気代の無駄。姉ちゃん、無視するなよ。なんで"ここ"にいるわけ?」
「1週間ぐらい、ここにいるから」
いや、質問の答えになってないから。
1週間働いて、2日間の休日を家でのんびり過ごそうと思っていた。
鍵を開けると、片足だけ倒れたハイヒールが目についた。
こんな靴の脱ぎ方をする女は1人しかいない。
黒いハイヒールを並べて、中に上がる。
リビングにはテレビを点け、ソファの上でくつろいでいる姉がいた。
その隣りにはボストンバッグが客の様に座っている。
膝の上に雑誌を広げてパラパラとめくる姿を見て、テレビを消した。
「テレビ見てないなら点けるな。電気代の無駄。姉ちゃん、無視するなよ。なんで"ここ"にいるわけ?」
「1週間ぐらい、ここにいるから」
いや、質問の答えになってないから。