モカブラウンの鍵【完結】
「匠はお互い仕事を優先しているんだから、焦って結婚することのないって、ずっと言ってたの。
でも、先月にプロポーズしてくれて、うれしかったんだけど、何で急にと思ったの。
理由を聞いたら『職場で最近付き合いだしたのがいて、2人とも忙しいのに協力しあって上手くやってるんだ。もう、夫婦みたいでさ。
俺たちも、そうやって上手く仕事と家庭を両立できると思う』って。
だから匠の結婚観を変えた2人に会ってみたくて」
俺も奈央美も、松下さんにそういう風に見られていたとは思わなくて、気恥かしさから無言になる。
松下さんを見れば、頬杖をついて、その手で口元を隠していた。
どうやら、野沢さん以外、全員照れているらしい。
「お待たせいたしました」
ちょうどいいタイミングで女将さんが料理を持ってきてくれた。
テーブルに並べられた小鉢を見て、松下さんが「食べるか」と言う。
「そうですね。いただきましょう」と奈央美が言った。
割り箸を割って、小鉢を食べ始める。
でも、先月にプロポーズしてくれて、うれしかったんだけど、何で急にと思ったの。
理由を聞いたら『職場で最近付き合いだしたのがいて、2人とも忙しいのに協力しあって上手くやってるんだ。もう、夫婦みたいでさ。
俺たちも、そうやって上手く仕事と家庭を両立できると思う』って。
だから匠の結婚観を変えた2人に会ってみたくて」
俺も奈央美も、松下さんにそういう風に見られていたとは思わなくて、気恥かしさから無言になる。
松下さんを見れば、頬杖をついて、その手で口元を隠していた。
どうやら、野沢さん以外、全員照れているらしい。
「お待たせいたしました」
ちょうどいいタイミングで女将さんが料理を持ってきてくれた。
テーブルに並べられた小鉢を見て、松下さんが「食べるか」と言う。
「そうですね。いただきましょう」と奈央美が言った。
割り箸を割って、小鉢を食べ始める。