モカブラウンの鍵【完結】
奈央美の部屋に上がり、ソファに座る。

そして奈央美を抱きしめる。


「奈央美、無理しなくていいんだぞ」

「無理してないよ」

「そっか。なあ、明日の朝、俺が横に寝てても蹴り飛ばさないでね」

「もう、しないよ」

奈央美は笑いながら、俺の胸をゲンコツで軽く叩いてくる。


「なら、よかった。世の中には3度目の正直っていうのがあるからね」

「しないってば」

奈央美を抱きしめる腕に力を入れて、ゲンコツの動きを止める。



「奈央美」


胸に埋まっていた顔が上を向く。

俺をまっすぐ見つめる目に吸い込まれるように顔を近づける。


顔を傾け、唇を合わせた。

最初は慈しむような柔らかいキスを繰り返す。

唇の隙間から舌を入れ、熱を帯びたキスへと変化した。

角度を変えるたび、奈央美の熱い息が唇にかかる。

名残惜しむ様にゆっくり唇を離した。


奈央美の体を抱き抱え、寝室へ行く。

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