モカブラウンの鍵【完結】
俺より……
「佐伯、ちょっといいか」
社長に呼ばれた奈央美が会議室へ入って行った。
また、新しい仕事でもやるのかな?
古民家の図面を見ながら、絶対に残すべき配管と柱を確認しつつ、図面に書き込んでいく。
今、俺が担当しているのは個人宅。
古民家をリノベーションするのがクライアントのご要望。
「杉山、ちょっといいか」
「はい」
松下さんがクリアファイルを俺に渡してきた。
「ペンションの設計ですか?」
ファイルの中を確認しながら、松下さんの話を聞く。
「このクライアントは杉山を指名してきた」
「僕を、ですか?」
「ああ」
「名前を見て思い出さないか?」
広岡一伸(ひろおか かずのぶ)……。
「あ、高校の同級生です」
「そう。詳しいことは、本人に聞くのが一番だ。社長にはこの話、通してあるから」
「ありがとうございます」
ノブの夢も叶うんだな。
社長に呼ばれた奈央美が会議室へ入って行った。
また、新しい仕事でもやるのかな?
古民家の図面を見ながら、絶対に残すべき配管と柱を確認しつつ、図面に書き込んでいく。
今、俺が担当しているのは個人宅。
古民家をリノベーションするのがクライアントのご要望。
「杉山、ちょっといいか」
「はい」
松下さんがクリアファイルを俺に渡してきた。
「ペンションの設計ですか?」
ファイルの中を確認しながら、松下さんの話を聞く。
「このクライアントは杉山を指名してきた」
「僕を、ですか?」
「ああ」
「名前を見て思い出さないか?」
広岡一伸(ひろおか かずのぶ)……。
「あ、高校の同級生です」
「そう。詳しいことは、本人に聞くのが一番だ。社長にはこの話、通してあるから」
「ありがとうございます」
ノブの夢も叶うんだな。