モカブラウンの鍵【完結】
ブルーマウンテンよりコーヒー牛乳
月曜の朝、満員電車から開放される。
ひんやりする風を顔全体で感じながら、職場へ向かう。
横断歩道を渡り、コンビニの角を曲がると、佐伯さんの後ろ姿が見えた。
「佐伯さん、おはようございます」
「杉山、おはよう」
「一昨日はちゃんと家に帰れましたか?」
「当たり前でしょ。小学生じゃないんだから」
あの日の乙女な佐伯さんの姿はどこにもない。
いつもの佐伯さんだった。
「ねえ、杉山。あの、この前のことは……」
「言いませんよ。俺は、佐伯さんを家まで送って帰りました。それが金曜日の夜のことです。それ以外は何もありません」
佐伯さんは軽く息を吐き出して、微笑むと「ありがとう」と言った。
ひんやりする風を顔全体で感じながら、職場へ向かう。
横断歩道を渡り、コンビニの角を曲がると、佐伯さんの後ろ姿が見えた。
「佐伯さん、おはようございます」
「杉山、おはよう」
「一昨日はちゃんと家に帰れましたか?」
「当たり前でしょ。小学生じゃないんだから」
あの日の乙女な佐伯さんの姿はどこにもない。
いつもの佐伯さんだった。
「ねえ、杉山。あの、この前のことは……」
「言いませんよ。俺は、佐伯さんを家まで送って帰りました。それが金曜日の夜のことです。それ以外は何もありません」
佐伯さんは軽く息を吐き出して、微笑むと「ありがとう」と言った。