モカブラウンの鍵【完結】
「お休みの日なんだから、ゆっくり休めばいいのに」
「家族で散歩したいからいいの。美和もパパが一緒の方がいいよな」
後ろで赤ちゃんが出す独特でかわいい笑い声が聞こえた。
エレベータが1階に着き、ドアを押さえる。
「お先にどうぞ」
高橋さん夫婦はお礼を言いながらエレベータを降りていった。
2人の後ろ姿をみながら「いいな」と思う。
自分が家庭をもったらどんなだろうと考えると、隣にいるのは奈央美だった。
今までの自分が漠然と結婚を考えたり、想像したりするのは、奈央美と付き合うようになってから。
俺の中では絶対的な存在になっていたんだ。
それなのに俺はくだらない嫉妬で奈央美を疑い、傷つけた。
そして未だに自分から連絡すらできない。
こんなんじゃ、他の男が奈央美を連れ去ったって文句は言えないよな。
でもこれで終わらせるわけにはいかない。
「家族で散歩したいからいいの。美和もパパが一緒の方がいいよな」
後ろで赤ちゃんが出す独特でかわいい笑い声が聞こえた。
エレベータが1階に着き、ドアを押さえる。
「お先にどうぞ」
高橋さん夫婦はお礼を言いながらエレベータを降りていった。
2人の後ろ姿をみながら「いいな」と思う。
自分が家庭をもったらどんなだろうと考えると、隣にいるのは奈央美だった。
今までの自分が漠然と結婚を考えたり、想像したりするのは、奈央美と付き合うようになってから。
俺の中では絶対的な存在になっていたんだ。
それなのに俺はくだらない嫉妬で奈央美を疑い、傷つけた。
そして未だに自分から連絡すらできない。
こんなんじゃ、他の男が奈央美を連れ去ったって文句は言えないよな。
でもこれで終わらせるわけにはいかない。