モカブラウンの鍵【完結】
「奈央美、俺の話が全部終わるまで聞いて欲しい」

「わかった」と小さな声が返ってきた。


「この前、というかかなり前になったけれど、酷いこと言ってごめん。

奈央美は仕事で中野さんと会っているだけなのに、それに対して嫉妬して、あんなことを言って、本当にごめん。

奈央美の言う通りだと思う。


俺、自分が年下であることを、気づかないうちに気にしてた。

早く奈央美を支えられる男になりたいと思ってた。

そんな風に考えれいる時に、中野さんが現れて、どこかで焦ってたんだ。


だから仕事を我武者羅に頑張って、そのせいで奈央美と話す時間が減って、それであの喧嘩。

本末転倒だよな。


俺、この2カ月、いろいろ考えたんだ。

自分がどうしたいか。

それで決めたことがある」



奈央美はただ俺の顔を黙って見つめていた。

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