モカブラウンの鍵【完結】
「涼太君、奈央美から聞いたんだか、将棋をやるんだってな」

「はい。父と祖父が好きなので。強くはありませんが」

「なら1局、どうかな?」

「はい、喜んで」

お義父さんは嬉しそうに将棋の盤をテーブルの上に置き、コマをザラザラと出した。


「涼太さん、夕飯、食べていってね」

「はい。お言葉に甘えさせていただきます」

お義母さんが立ち上がると「私も手伝う」と奈央美が言って、2人ともキッチンへ姿を消した。


駒を盤の上に並べていると、お義父さんが突然、聞いてきた。

「なあ、涼太君。奈央美が君のことをどんな風に私たちに言ったと思うかい?」

「え?」

それはちょっと気になる。

知りたい気もするけど、小っ恥ずかしい気もする。

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