モカブラウンの鍵【完結】
俺が何も言わずに困った顔をすると、お義父さんは微笑みながら言った。
「彼は、とても優しい人なの。何よりも人を大事にする人。私のこともそうだけど、家族や友だち、仕事仲間。人を大事にする人って、全てのことに対して優しくできる人だと思うの。
事実、そういう人。彼がね、物や仕事を雑に扱っているところって見たことがない。私は彼のそういう優しさが好きなの。だから彼のプロポーズを受けた。
奈央美は私たちにそう言ったんだよ」
思った通り、小っ恥ずかしくなった。
何て言えばいいかわからない。
素直に言えば嬉しい。それしかない。
「奈央美を好きになってくれてありがとう。
あの子はしっかりしているけれど、本当は甘えたい子なんだ。小さい頃は家族に甘えてばかりいた。
親の私が言うのも難だが、学生時代、あの子は成績が良くて、学級委員や部長をやっていてね。それで中2くらいから甘えなくなった」
お義父さんの話を聞きながら、駒を指していく。
お義父さんの言葉と言葉の間に、盤と駒がぶつかり、カチッと鳴る音がする。
「彼は、とても優しい人なの。何よりも人を大事にする人。私のこともそうだけど、家族や友だち、仕事仲間。人を大事にする人って、全てのことに対して優しくできる人だと思うの。
事実、そういう人。彼がね、物や仕事を雑に扱っているところって見たことがない。私は彼のそういう優しさが好きなの。だから彼のプロポーズを受けた。
奈央美は私たちにそう言ったんだよ」
思った通り、小っ恥ずかしくなった。
何て言えばいいかわからない。
素直に言えば嬉しい。それしかない。
「奈央美を好きになってくれてありがとう。
あの子はしっかりしているけれど、本当は甘えたい子なんだ。小さい頃は家族に甘えてばかりいた。
親の私が言うのも難だが、学生時代、あの子は成績が良くて、学級委員や部長をやっていてね。それで中2くらいから甘えなくなった」
お義父さんの話を聞きながら、駒を指していく。
お義父さんの言葉と言葉の間に、盤と駒がぶつかり、カチッと鳴る音がする。