モカブラウンの鍵【完結】
突然、玄関の開く音がした。スリッパの音が近づいてくる。

「ただいま」

振り向く30半ばくらいの男の人と俺と同じくらいか1つ2つ下くらいの女の人が立っていた。

「お兄ちゃん!」とキッチンから出てきた奈央美が言う。

じゃあ、この人がお兄さんとその婚約者だ。

「何でいるの?」

「久しぶりに会った兄にいう言葉それ? 母さんに奈央美の彼氏が来るから、晴香と一緒に来いって言われて」

俺は奈央美の隣に立った。


「初めまして。杉山涼太です」

「初めまして。兄の博史(ひろふみ)です」

軽く博史さんに会釈をすると、彼の隣に立っていた彼女が「本田晴香です」と言った。


確か、博史さんは奈央美の8つ上だったよな。てことは36か、37。

晴香さんはどう見ても俺と同じくらい。

一回りも離れている?

年の差のカップルなんだ。

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