モカブラウンの鍵【完結】
「じゃあ、帰るね」

奈央美と玄関に立つと、お義父さんとお義母さんが見送りに来てくれた。

「またいつでも遊びに来てくださいね」

「将棋の相手をまたしてくれ」

俺はご両親に挨拶をして、奈央美の実家をあとにした。




コインパーキングへ向かって、ゆっくりと手を繋いで歩く。

「奈央美、子供って何人欲しい?」

「ええ? 何、朝から?」

「朝からって。俺は純粋に聞いてるんだけど。奈央美は違うこと考えてるんだ」

からかうと「もう」と言って、俺の肩を自分の肩で軽く押してきた。

「子供ね。やっぱり、男の子と女の子は欲しいかな」

「俺も。家族がいっぱいるって、賑やかでいいなと思ってさ」

「うん。でも、お互いの仕事のこともあるし、まだ2人の時間を大事にしたいかな」

「そうだな」

ちょうどコンビニの前に来た。


「あ、コーヒー牛乳買うんだろ?」

「うん」


コーヒー牛乳を買うだけで楽しくなるような2人の時間を大切にしていきたいと思いながら、暖かいコンビニの中に入った。








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*次の番外編は『結婚式』になります。


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