モカブラウンの鍵【完結】
楽しそうに話す佐伯さんの横に置いてあるスマホがずっと点滅していた。

会話の途中、横目でスマホを見たから、きっと気づいているはず。

それなのに決してスマホを手にしない。

それは意図的やっているようにしか見えない。


もしかしたら、あの慰労会で酔っ払ってしまった原因が絡んでるのかもしれない。

なら、俺は何も気付いていないことにしよう。


「わかってますよ。美味しいお昼ご飯を奢ってもらう約束ですよね」

「そうよ。かなり美味しい食事だから」

< 36 / 300 >

この作品をシェア

pagetop