モカブラウンの鍵【完結】
「このハンバーグ、美味すぎる」

「オムライスもすごく美味しい。今度、来た時はハンバーグ頼もう」

「良かったら、一口食べます? 反対側は口付けてないんで」

カトラリーが入ったケースからフォークを出し、プレートを佐伯さんの前に差し出す。


「ありがとう。杉山もオムライス食べていいよ」

「じゃ、遠慮なく」

プレートを佐伯さんがちゃんと持ったのを確認してから、オムライスを自分の前に引き寄せた。


カトラリーのケースからスプーンを取り、佐伯さんが口を付けていない方からオムライスを一口掬う。


「ハンバーグも美味しい。私、ここに来ると、いつもカレー頼んじゃうの。人と来た時だけお任せにするの。今度は絶対ハンバーグ頼もう」


「そうなんですか。佐伯さん、カレーが好きなんですね。あとコーヒー牛乳」

ちょっと辛かう感じで、佐伯さんに言った。

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