モカブラウンの鍵【完結】
「どうせ、お子様の味覚ですよ」

「お子様でもないでしょ。

飲み会の時は、塩辛、キムチ、ホヤの酢の物。

どちらかっていうと、オヤジの味覚じゃないですか?」


「言ってくれるじゃない。ハンバーグ、もっと食べてやる!」

確実に女の人じゃ、一口では入らないであろうサイズにハンバーグを切っている。


「好きなだけ、食べていいですよ。俺も、好きなだけオムライス食べますから」

気がつけばお互いのメニューを半分食べていた。


「いい加減、元に戻しますか?」

「うん、そうね」


随分、ガキっぽいことをしてしまった、という感じがテーブルに流れる。

佐伯さんは結構、お腹いっぱいだと思う。

このハンバーグはボリュームがあるから。

見ていると、思ったと通り食べるペースが遅い。

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