モカブラウンの鍵【完結】
「いました」
「それで当分は恋愛しない。何でそうなるんだ?」
「前、付き合ってた彼女は短大卒の21の子で。俺はその時、23でした。お互い、新社会人。
俺は仕事をとにかく覚えたかったし、やりたい仕事ができて充実してました。
でも、彼女はいつも愚痴ばっかり。俺も言ってたし、お互いガス抜きできる存在であるのも大事だと思ってたんです。
入社して半年経ったくらいから、彼女が結婚って言葉を間接的に会話の中に入れてくるようになって。それがエスカレートしていったんです」
ビールを一口、枝豆を摘んで話を続けた。
「俺は耐え切れなくなって、別れを切り出しました。大喧嘩の末、別れたんです。彼女は会社を辞めて、実家に帰って、お見合い結婚したそうです。
そのとき思ったんですよ。ああ、彼女は俺と結婚したんじゃなくって、結婚に逃げたかったんだなって。
そう思ったら、何か恋愛が虚しく感じて。当分は1人でいいやって思ったんですよ」
松下さんは自分用に頼んだ厚揚げを頬張り、もう1つを俺の皿の上に乗せた。
「なるほどな。そういうことがあると恋人作るのも面倒になるな」
「はあ」
「もう2年も経ったんだし、少し前向きに考えてみろ。いい相手が近くにいるかもしれなしな」
「それで当分は恋愛しない。何でそうなるんだ?」
「前、付き合ってた彼女は短大卒の21の子で。俺はその時、23でした。お互い、新社会人。
俺は仕事をとにかく覚えたかったし、やりたい仕事ができて充実してました。
でも、彼女はいつも愚痴ばっかり。俺も言ってたし、お互いガス抜きできる存在であるのも大事だと思ってたんです。
入社して半年経ったくらいから、彼女が結婚って言葉を間接的に会話の中に入れてくるようになって。それがエスカレートしていったんです」
ビールを一口、枝豆を摘んで話を続けた。
「俺は耐え切れなくなって、別れを切り出しました。大喧嘩の末、別れたんです。彼女は会社を辞めて、実家に帰って、お見合い結婚したそうです。
そのとき思ったんですよ。ああ、彼女は俺と結婚したんじゃなくって、結婚に逃げたかったんだなって。
そう思ったら、何か恋愛が虚しく感じて。当分は1人でいいやって思ったんですよ」
松下さんは自分用に頼んだ厚揚げを頬張り、もう1つを俺の皿の上に乗せた。
「なるほどな。そういうことがあると恋人作るのも面倒になるな」
「はあ」
「もう2年も経ったんだし、少し前向きに考えてみろ。いい相手が近くにいるかもしれなしな」