モカブラウンの鍵【完結】
「これからどうします?」

「えっ?」

「すぐに帰ります? それとも部屋で朝ご飯でも食べます?」


ベッドサイドにある時計を見ると【07:28】と表示されていた。


――ぐぅー



えっ? 俺が出した音じゃないって、ことは……。

時計から佐伯さんの顔へ目線を動かす。



「朝ごはん、食べよう」



さっきより顔を赤くした佐伯さんが小さい声で言う。




「ぷっ、あはっははははっははーー」




まさか佐伯さんのお腹の音を聞くとは思わなかった。

あの仕事のできる人の。人間なら腹も空くよな。



「ちょっと、そんなに笑うことないでしょ。生理現象!!!」

「はあ……。わかってますよ。すみません」


笑いが鎮まるように、深めに息を吐きだした。

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