モカブラウンの鍵【完結】
「杉山、いい飲みっぷり。ここの小鉢とか焼き鳥、絶品だから。何頼む?」


1つのメニューに顔を寄せる。

アルコールでほんのり赤くなった首筋。

白いシャツから見え隠れする鎖骨。

流れ落ちてきた髪の毛を耳にかけるとや耳たぶが目に入った。

うわ、エロい。って、何を考えているんだ!

目線をメニューに戻した。


「あの、さこ、じゃなくて、軟骨の唐揚げとか焼き鳥の盛り合わせとか、頼みません?」

「そうね。あと冷奴も頼もうか」

「そうですね」


近くにいた店員に焼き鳥や唐揚げを頼む。

俺が頼んでいる間もビールを飲んでいる佐伯さんは楽しいそうだった。


「そんな早いピッチで飲むと、すぐに酔っ払いますよ。アルコール、そんなに強くないんでしょ?」

「大丈夫だよ。まだジョッキ1杯だし。これぐらいじゃ酔わないわよ。この前みたいなことにはならないから。ちゃんと1人で帰れる程度で、やめるわよ」

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