モカブラウンの鍵【完結】
駅まで行き、タクシー乗り場でタクシーを拾う。
タクシーに乗り、佐伯さんが家の住所を言うと、車は動き出す。
佐伯さんはタクシーの揺れが心地いいのか、俺の肩に頭を乗せ小さな寝息を立て始めていた。
俺はできるだけ体を動かさないようにして、人間枕に徹する。
時々、眠る佐伯さんの顔を見つめていた。
「お客さんの彼女、かわいいですね」と、突然、運転手が言ってきた。
俺と佐伯さんってカップルに見えるんだ。
わざわざ否定するも面倒で「はい。自慢の彼女です」と答えた。
「いいね。俺も早く家に帰って、家族の顔見たくなってきたよ」
「そうですか。そう思えるって、いい家族なんですね」
「ああ。俺の自慢の家族よ」
かっこいいな。照れることなく、そう言い切れるって。
俺も結婚したら、照れずに言えるのかな。
「お客さん、着きましたよ」
タクシー代を払い、佐伯さんの体を揺らす。
「起きてください。着きましたよ」
アルコールが入っているせいで起きる気配がない。
結局、タクシーの運転手の手を借りて、佐伯さんをおんぶした。
タクシーに乗り、佐伯さんが家の住所を言うと、車は動き出す。
佐伯さんはタクシーの揺れが心地いいのか、俺の肩に頭を乗せ小さな寝息を立て始めていた。
俺はできるだけ体を動かさないようにして、人間枕に徹する。
時々、眠る佐伯さんの顔を見つめていた。
「お客さんの彼女、かわいいですね」と、突然、運転手が言ってきた。
俺と佐伯さんってカップルに見えるんだ。
わざわざ否定するも面倒で「はい。自慢の彼女です」と答えた。
「いいね。俺も早く家に帰って、家族の顔見たくなってきたよ」
「そうですか。そう思えるって、いい家族なんですね」
「ああ。俺の自慢の家族よ」
かっこいいな。照れることなく、そう言い切れるって。
俺も結婚したら、照れずに言えるのかな。
「お客さん、着きましたよ」
タクシー代を払い、佐伯さんの体を揺らす。
「起きてください。着きましたよ」
アルコールが入っているせいで起きる気配がない。
結局、タクシーの運転手の手を借りて、佐伯さんをおんぶした。