ゴール下の彼女

イジメ(傷付いちゃいけないゲーム)のターゲット



お昼休み、梨華からお弁当に誘われた。

梨華、瑠樹、みっちゃん、あすちゃん、鈴、私でお昼を食べることになった。


『いただきます。』


みんなは手を合わせ、声を揃えた。

おはしを持ち、お弁当を開けた。

みんなのお弁当、キラキラ輝いてる。

一緒に食べるごはんは美味しいもんね。

だから人のも自分のも豪華なものみたいに輝くんだ。

私はおかかふりかけのかかったご飯をおはしで摘んだ。

そして口に入れる。

もぐもぐと口で堪能していると梨華が口を開いた。


「あんね、弥杞。アンタ、イジメ(傷付いちゃいけないゲーム)の対象になったよ。」

――イジメとかいて傷付いちゃいけないゲーム。

――発音が傷付いちゃいけないゲームだから、気付かなかったんだ。

――ただのイジメだと。

――乗り越えなきゃいけない、なんて馬鹿な口車にのせられた。


「わ、わかった。がんばる。」


――なにもわからなかった私は、返事をしてしまったんだ。


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