ゴール下の彼女
学級委員長と書いてある名札を首からぶら下げているのでわかる。
わざわざ目立つように持ち上げなくても、わかるんだけど…。
長い爪だし、キラキラしたネイルが施してあるし、メイクは濃い…。
校則違反すぎない?
グロスでつやつやのふっくらした唇を開いた。
「アタシ、がっきゅーいいんちょーね?あ、アタシの名前は、梨華(りか)っつぅの。アタシんとこのクラスは団結力強化したいから、下の名前かあだ名だけでいいし。よろしくー。」
かったるそうに髪をくるくる指で持て余しながら、言う。
そして右手を握り締め差し出して来るのでキョトンとしていると――。
「アタシらの、合言葉みたいなモン。アンタも右でグー、してみ。」
言われた通りに握り締めると、腕を絡めてオデコをコツンとこづかれた。